妄想

資産七億になったら、ソーセージはシャウエッセンにしちゃうかもしれないけど、それ以外の贅沢はしないです。

七億円あったら、まずソーセージはシャウエッセンにする。
それ以外の贅沢は……まあ、ほとんどしない。
でも、ちょっとだけ自分を甘やかすかもしれない。

たとえば、お刺身。
これまではスーパーで「半額」シールが貼られるまで、売り場の前をウロウロしていた。

「まだ貼られないか…」
「あと10分待てば…」

でも七億円あれば、30%オフでも迷わずカゴに入れる。

「今日はいつもより新鮮な刺身を楽しんじゃおう」

そんな小さな贅沢ができる。
半額じゃなくても、いいじゃないか。七億円あるんだから。

ビールだってそうだ。
普段は金麦。
金麦も十分うまい!というのはもちろんその通りなんだけど、
七億円の余裕があれば、プレモルを冷蔵庫に常備できる。

「今日はプレモルで乾杯しちゃおうかな」

そう言いながら、ちょっと高級なグラスに注ぐ。
これぞ大人の贅沢。
金麦からプレモルへ――人生のグレードアップは、意外とささやかなのだ。

そして、コンビニでハーゲンダッツ。
今までは、スーパーで安くなっているのを狙って買っていた。

七億円あれば、コンビニで買ってしまうかもしれない。
あえて定価で買うことで、ハーゲンダッツを応援するのだ。

とはいえ、結局はそんな小さな贅沢だけで十分なのだ。
高級車もいらないし、ブランドバッグにも興味がない。
家だって、今のままで充分。
七億円の資産があっても、僕の幸せは「ちょっといいものを、ちょっとだけ気軽に買える」ことに尽きる。

贅沢って、きっとそういうものだ。
スーパーでシャウエッセンを堂々とカゴに入れる勇気。
30%オフのお刺身を「今日は早めに食べちゃおう」と思える余裕。
金麦からプレモルへの小さな昇格。
そして、コンビニでハーゲンダッツを迷いなく買う幸福。

七億円の使い道は、そんな「ちょっとだけ上質な日常」を手に入れること。
それだけで、人生は十分に豊かになる気がする。

-妄想