今日もまた、YouTubeを眺めながら電車に揺られる。
片道2時間。移動時間だけ見たら、ちょっとした旅行だ。
改札の前で待っているあの人に会うために、電車に乗っている。
正直、電車で2時間の移動は疲れる。
シートは硬いし、すぐとなりに知らない人がいるのもストレスだ。
でも、そんなことがどうでも良くなるほど、あの人に会えるのが楽しみなんだから、恋っていうのは本当にすごいと思う。
「遠かったよね。いつも来てもらってごめんね。」
って、よく言われる。
だけど、好きな人のためなら、この移動時間すらも特別なものになる。
というか、2時間くらい余裕だろ。
むしろ、この2時間が好きな気持ちを増幅させてるよ。・・・それは言いすぎかもしれない。
途中で乗り込んでくる学生たちの笑い声や、どこかの駅で流れる発車メロディを聞きながら考える。
今日はどんな話をしよう、どんな服で待っててくれるんだろう、とびきりの笑顔で会いたいな——
そんなことばかり考えていると、目的地が近づく。
自然とニヤけてしまう顔を隠すためにマスクは欠かせない。
こんなふうに誰かのことを思いながら過ごす時間って、案外悪くない。
むしろ、人生の中で一番贅沢な時間かもしれない。
電車が駅に着くたび、あと何駅かを指折り数えて、心臓の鼓動が少しずつ速くなる。
改札の向こうで、あの人が待っている。
その姿を見つけた瞬間、移動の疲れがふっと消えてしまうから不思議だ。
今日もまた、好きな人のいる駅まで。
この2時間の旅が、私の「好き」を育ててくれる。